「アストロロジーのシンボリズム + サイクルと暦のおはなし ~シンボルとサイクルを体験する~」

2008年2月3日(日)占星術ミニセミナー [開催報告]
「アストロロジーのシンボリズム + サイクルと暦のおはなし
~シンボルとサイクルを体験する~」
@スタジオ flowjojony(目白)

 

2/3(日)目白のスタジオflowjojonyでの1日イベント「Connect with the Earth Vol.1 ~春の女神・めざめ~」において、占星術ワークショップを行いました。(→ワークショップ告知内容

 

flow jojony エントランス

スタジオ flow jojony

タイトルの通り、「シンボル、サイクル、暦」と、占星術の根本に関わるような大それた内容ですが、参加者の方の占星術への親しみ具合に合わせ、当日はごくごくシンプルな「シンボル」→「サイクル」のお話をし、その後、各参加者にひとつシンボルを選んでいただき、そのシンボルを表現するコラージュを作っていただきました。
参加者のほとんどは占星術を普段行っていない方々でしたが、「シンボル」についてはとてもよく理解してくださったようです。

 

制作中の様子

ワークショップにてコラージュ制作中の様子

さて、当日お話した内容を簡単に少しだけ紹介。

●占星術で使われる「シンボル」を日常の中で意識できる形で理解しよう。
・男性性と女性性(能動性と受動性)(12の2区分)
・「活動」-「定着」-「柔軟」という流れ(12の3区分)
・4つのエレメント(火、地、風、水)(12の3区分)

占星術に親しんでいる方には、ごくごく初歩的な知識としてご存知ですね。ただ今日は、この「2区分/3区分/4区分」を、ただばらばらにある性質の違い、としてではなく、秩序だって並んでいる「サイクル」としてご紹介しました。
・男性性と女性性(能動性と受動性)(12の2区分)
これは、「+」と「-」という発想で理解しやすいでしょう。「発したら」次には「受けとめる」。例えば、何か新しいことを状況の中に投じたら(+)、次は、その反応を観察して結果を受け止める(-)。物事が進んでいくのには、そうした流れがあります。

・「活動」-「定着」-「柔軟」という流れ(12の3区分)
占星術を知っているとごくあたりまえの概念ですが、そうでなければ、少し理解に努力が必要でしょうか?
物事が「動き」の中から発動すると、それは一定の安定した「形」を得ることで存続する。ところが安定した「形」のままでは、物事も生物も、存続できない。変化をとげたり、外部の影響をうけとったりすることで、新しい「存続の形」を模索することになる。例えば、蛇の脱皮。皮を脱がなければ、それ以上成長できない(生きられない)。「柔軟」は、より高いバイブレーションに移行する前に、自らに引き起こすセンセーションみたいなもの?ここでは、次の「活動」からのサイクルに入ってより大きく成長するために、自分の「外部」とであって、自己と外部との間に振動を起こすようなものです。そこからまた、新しい「活動」が生まれる。

・4つのエレメント(火、地、風、水)(12の3区分)
これはひとつひとつの性質としてはとても理解しやすいでしょう。火、地、風、水という、すべて地上にある事物で象徴されているからです。ただおもしろいのは、東洋では5行というように5つのエレメントを挙げるのに、西洋占星術では4元素なのです。
さて、4つはばらばらに存在しているわけではありません。ここでもまた(占星術で意味するところでは)この4つの並びには意味があるようです。
火は原初のエネルギー。何か(物資いつ)が立ち現れる前の、その物質を形作るエネルギーの源のような?火は、昔の人にとっては、摩擦を続けているとあるときいきなりパっと赤くなって(あるいは煙をだしつつ)発生するもので、それは何もないところからいきなり発生したように見えたでしょう。ですので、火は神聖視されたのかもしれません。火のもつ「直感」という意味はここに象徴されているでしょう。それは、「何の根拠もなく」発生するものだからです。しかしその「根拠」というのは、「地」以下の目に見える物質レベルにおいては「根拠なく」と見えるだけなのですが。
地は物質化です。物質以前のエネルギーとしての火がこの物質界に現れたとき、次にたどるのは「形」として表される「地」の性質。それは一定期間同じ形を保持することによって、「確かに在る」という認識を得ます。
風は動き。例えば「地」のエネルギーがいつまでも「地」のままであったら。最初にとった「形」をそのまま保持したままこの世界に存続するのは、おそらくムリでしょう。また、より成長を加速しよとするならば、そこには風の「動き」のエネルギーが必要です。花が咲いたままでは、次の季節に花は子孫を残せない。風によって花粉が運ばれ、命と命の間に「動き」がもたらされたからこそ、次の命へつないでいける。この「動き」は「知性」にもたとえられます。人が知覚をしたり知性を使っているとき、実際、神経伝達物質が神経の中で高速に伝達されている。まさに「動き」です。そして何か情報が伝達させられることによって、「認識」が生まれる。こうしたことからも、風の象意として「知性」があります。
水はこれらすべてのあり方を、最後にもっとも人間らしくまとめあげるものでしょう。水は情感・感情の象徴ですが、「火→地→風」という流れ、すなわち「発生→物質化→認識」の流れのあとに、それらに何か「意味」を与えるのが水の役割でしょう。「人間」としての存在にとっての人間らしい存在の意味。それは「感受するアンテナ」があって始めて、感知できるものです。感じ取る力。現に在る情報を、ただ情報として受け止めるのではなく、そこにどんな意味を受け止められるか。それは、人間を豊かにするものです。
この「火→水」までのひとつのサイクルは、水で自分自身を豊かにするところまで発展すると、次にまた、その自分を養う力を滋養として、次なる発動(火)へ移行することができます。こんな風に、4つのエレメントはサイクルとしても捉えることができます。

●シンボルをビジュアライズする
さて、上記の簡単なシンボルについて解説した後、みなさんにコラージュを作っていただきました。雑誌の中から、自分が選んだシンボルをあらわすものを切り抜いて、画用紙に張ってもらいます。クレヨンで絵を描いてもOKです。
できあがったみなさんの作品を紹介します。

<Aさん>

Aさんの作品(コラージュ)

Aさんの作品(コラージュ)

本日の説明の中の、「4つのエレメントにサイクルがある」ということに感心してくださっていました。そして特に、「水から次のサイクルの火への移行」に興味をもっていただきました。制作されたものは、画面の左に「水」を、右に「火」を表現されたそうです。真ん中は、現在の自分自身だそうです。
特にどの位置に何をおくか、とは指示していないのですが、サイクルの前段階を左に、先のものを右に置くのが興味深いですね。人の左右の感覚として、右を先のこと(時間軸でいえば「将来」)と捉えがちなのです。そして、中央ある自分が、とても大きなことに気がつきます。右を向いているのも、先へ気持ちが向かっている、というのがシンプルに感じられます。
さて、水は家族を思わせる人物の写真が並びます。自分自身の内面を豊かにしてくれる源泉のようなものが、Aさんにとっては家族なんだな、というのがとてもシンプルに感じられますね。打って変わって右側には、燃えるような若い男性のパワフルな様子。上は、何かスポーツのユニフォームのようですし、下はロックミュージシャン。どちらも火星の力を感じさせますが、まさに火(火星のルーラーの牡羊座のエレメント=火)と結びついていますね。
Aさんは、占星術についてはほとんど知識がないということでしたが、このように、占星術の象意を知らなくても、直感的にみなさん、そのシンボルを理解することができるのです。そして、自分の表現の中に現れているということが、とても興味深かったです。

<Bさん>

Bさんの作品(コラージュ)

Bさんの作品(コラージュ)

ものすごく個性的な作品です。画用紙から大きくはみ出して、切り抜いた写真をいっぱいに張られていました。制作や自己表現に対して、とても自由ですね。
Bさんは、4つのエレメントのうち「地」を表現されました。ものすごくパワフルな印象を受けたため、「地にどんなイメージを持ってこれを作られたか」をたずねたところ、「ただ大地が写っている写真を選びました」とのことでしたが、たとえそうであっても、その大地と一緒に、動物の群れや登山をする人、とても大きな人形やが一緒に写っているものを無意識に選んでいることは興味深いです。中央には自転車競技の人たちの群れが張られていますが、実際この写真には、「大地」は写っていません。中央という一番重要な位置に、スポーツを群舞で行っている人物の写真があるのは興味深いです。また、左上には、(映画のパンフレットです)スーパーマン?役の男性の姿が。なんと、「地」どころか空を飛んでいます。
全体的に感じるのは、「地」を表現しつつも、まるで「火」のパワーのような「動き」と活動力、(群舞に現れているような)密度の高いエネルギーの集中、のようなものが感じられます。今日は短時間のワークショップでしたので、各々の方のネイタルチャートから制作物を解釈することはしませんでしたが、おそらく、とても活動的でパワフルな地の要素をチャートにお持ちの方なのかな?という印象を受けました。

<Cさん>

Cさんの作品(コラージュ)

Cさんの作品(コラージュ)

Cさんは遅れてワークショップに参加されたこともあり、またもともとイラストを描かれる方ということもあり、特にテーマを決めずに、そのときその場で、感じたままに自由にコラージュしてくださいました。Cさんは占星術をかなりご存知の方とのことでしたが、そのためか、惑星やサインの記号が描かれているのがおもしろいですね。そして、やはりもしネイタルチャートから解釈するのなら、各惑星やサインの記号と一緒に添えられているコラージュの写真から、いろいろな傾向が読み取れそうでおもしろいです。また興味深いのは、小さくいろいろなものがバラバラにちりばめられているように見えて、全体にクレヨンで水のエネルギー、波ような流線が描かれており、この線によって、全体がまるでマンダラのように意味あるまとまりのように見えてきます。いろいろなものがあるけども、どれもCさんの世界を彩っているもの、という印象です。Aさんのコラージュに似て、中央にとても大きな写真があります。Cさんは女性ですが、自分のイメージなのでしょうか?(ちょっと雰囲気が似ています)
このように、特に何もイメージして作らなくても、そこから(解釈をするのなら)必然的に、ご本人がお持ちの個性などが逆に自然と読み取れることがあります。

今回は「解釈」の部分を省きましたが、次回はぜひ、解釈まで含めて、また占星術の制作体験のワークショップを開いてみたいと思いました。